印西市立印西中学校
「個別最適な学び」を軸とした文学作品の読解
中学校3年国語科、魯迅の『故郷』を教材とした授業において「個別最適な学び」を軸とした文学作品の読解の授業を実践した。
従来の文学作品を扱った授業では、教師が読み方や内容を指導する一方向的な授業が多くある。
そこから脱却するために、考案した授業である。
本実践では単元名を【教材研究を行い、テスト問題を作成しよう】とした。
対象が受験を控えた三年生ということもあり、様々な問題を解くだけではなく問題を作る側の視点を得ることを狙った。
テスト問題をつくるためには作品をよく理解していることが必要不可欠であるため、我々が日常的に行っている教材研究を生徒に体験してもらうような流れを設定した。
本単元では一人一台端末を用いて毎時間生徒に課題を与え、生徒は個別学習・ペア学習・グループ学習と学習形態を選択して課題に取り組んだ。
取り組んだ課題は、随時アプリケーション上で比較したり送り合ったりすることで共有を図った。
また、毎時間の終わりにはスプレッドシートを用いて「学習内容の振り返り」と「学習方法の振り返り」を実施した。
振り返りに用いたスプレッドシートは一人ずつシートを分けて共有しており、他者の振り返りも自由に見られるようになっている。
取り組みを重ね、実際に作成したテストは共有して解き合った。その中で、互いに作品の理解度合を測ったり、深めたりした。
また、作成した問題のうちよく出来ているものは実際に定期テストに出題するなどして、生徒の学習の意欲を高めた。
生成AIの解釈を分析する国語科の授業実践
中学校3年生の国語科では、漢詩を扱う単元がある。
李白「黄鶴楼にて孟浩然の広陵に之くを送る」、杜甫「春望」の詩を扱うが、生成AIを用いた授業実践を行った。
まず生成AIに詩の本文を打ち込み、詩の解釈をふまえた解説文とイメージ画像を作らせた。
生成AIが作成した解説文やイメージ画像にはいくつかミスがあるが、あえてそれをそのまま提示し、生徒に生成AIのミスを考えさせた。
その上で、調べ学習を行ったり教師が提示した課題に取り組んだりしながら正しい解釈はどのようなものか読解を進めた。
読解を進める際には、個別学習・ペア学習・グループ学習と自らが学習形態を選択し、活動に取り組んだ。
生成AIのミスを指摘するというスタンスの活動に、生徒は興味関心をもって主体的に取り組んだ。
ポスト・コロナの生徒会役員選挙
当たり前のように対面で行っていた生徒会役員選挙を、Chromebookを用いて従来の形から一部変更をした。
全校が体育館に集まって実施していた立会演説会を、「google meet」を使用した配信に変えた。
体育館で行うと後ろの方に座る生徒は立候補者たちの表情が見えないが、配信を視聴することで表情等までしっかりと見ることができる。
また、体育館に集まったり会場をセッティングしたりする時間を短縮できるため、選挙にかかる時間を省略することができた。
選挙後に行っていた用紙を用いた振り返りでも「google forms」を使用した。
即時集計結果が出せるため、翌日には生徒会新聞に集計結果を掲載した。
投票についても「google forms」を用いる実践がよくあるが、本校では実際の選挙の形に合わせ、市から借用した本物の記載台と投票箱を用いてアナログ式に行っている。