宮城県仙台第三高等学校
公開授業の実施
令和5年12月19日(火)に宮城県仙台第三高等学校において公開授業を行いました。この中で、本事業の学校独自の取組(取組2)の3科目(SSデータサイエンス、STEAMライフサイエンス、日本史探究)も授業を公開しました。
午後からは、本事業で御指導をいただいている広島工業大学の「教授 安藤 明伸 」先生より、データ活用や教科横断に関するご講演をしていただきました。
データを活用した取組(学校の独自取組)
本校では、学校設定科目「SSデータサイエンス(1学年)を開講しており、この科目では、数学科と情報科が連携した授業を展開しています。今回は、数学科の先生方が数学Ⅰの「ヒストグラム」や「箱ひげ図」に関する授業(座学)を行った後の学習活動を紹介します。
(授業の流れ)
①教師は、Googleクラスルームを経由して、「数値データ」が記載されているGoogleスプレッドシートを生徒に配付します。生徒は、そのGoogleスプレッドシートに記載されている数値(データ)を使って、グラフ化したり、プログラム関数を用いて中央値や平均値などの数値を求めたりしていきます。
②生徒は、そこで作成したグラフや、求めた数値からデータの傾向をGoogle Jamboardにまとめます。その後、自分の考えを隣りの生徒に説明します。そのことにより、生徒は、自分の考えの至らない部分に気づいたり、自分の考察を深めたりしながら、自分自身の考えを整理していきます。
③Googleスプレッドシートに整理した内容をまとめ、Googleクラスルーム経由で教師にレポートとして報告(提出)します。
地元企業との連携(学校の独自取組)
SSデータサイエンスの授業で行った「散布図」を用いたデータ分析の授業を紹介します。本時は、数学科の先生方が数学Ⅰの「散布図」に関する授業(座学)を行った後の学習活動になります。
今回の授業の特徴は、連携企業である地元百貨店のデータを用いて散布図や相関係数を調べます。その際、共有されているGoogleスプレッドシートでデータをグループでまとめた後、Google Jamboardや、Googleスライドなどで、グループのメンバーと協働作業を行いながら分析をしていきます。
細胞分裂の観察(汎用的なソフトウェアとクラウド環境の活用)
科目「理数生物」の授業では、体細胞分裂の観察を行いました。
ネギの種子から発根させたものを染色し、細胞分裂の様子を観察しました。観察される細胞分裂の時期の割合は、それぞれの時期に要する時間の割合に相当することを事前に学習しており、実際に実験で確認します。観察する細胞数が多ければ多いほど正確な比率になるため、全員のデータを協働で一つのGoogleスプレッドシートにまとめ割合を調べました。
実験レポートは書き込んだものを写真で撮影し、Google classroom上で提出してもらいます。Classroomではルーブリックと一緒に送っているため、それに沿ってチェックして、コメントなどを書き込み返却します。
酵素の反応速度(汎用的なソフトウェアとクラウド環境の活用)
2年生の科目「理数生物」の授業では、酵素の反応速度に関するシュミレーションデータを使って、グラフを作成しました。授業では酵素の特性として、反応の最大速度や親和性があることを学びました。
また、酵素は阻害剤の影響を受ける場合もあり、速度や親和性が変化します。実験で得られたとする仮のデータを使い、Googleスプレッドシートでグラフを作成し、それぞれの特性を推定しました。