1. トップ
  2. リーディングDXスクール事業について

リーディングDXスクール事業について

リーディングDXスクール事業

 「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体的な充実を通して、主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善につなげる、しかも、働き方改革と両立させる形で。そうした挑戦に不可欠なインフラとして1人1台のGIGA端末が整備されました。
 全国各地では意欲的な取組が次々と生まれつつある一方で、端末を日常的に活用している学校とそうでない学校との間で大きな差が生じているのも事実です。
 こうした中、生成AIの飛躍的進歩に代表される社会のデジタル化はこれまで以上に加速しており、教育の在り方にも大きな影響を及ぼすことが見込まれています。新たな教育課程を構想するためにも、また学校を若者に魅力ある職場にするためにも、一刻も早く端末活用の日常化を進め、教育DXを実現することが必要です。
 こうした問題意識の下、本事業では、全国すべての都道府県及び政令指定都市に指定校をおき、GIGA端末の標準仕様に含まれている汎用的なソフトウェアとクラウド環境を徹底的に活用し、情報活用能力の育成を図りつつ、「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体的な充実や校務DXを推進し、全国に好事例を展開することとしました。
 ビジネスパーソンが活用しているソフトウェアを子供たちも同じように使う。大人と同じようにクラウド環境を使いこなし、クラスメートを含む様々なリソースを参照し、学習を自己調整しながら、問題を発見・解決する能力を磨く。端末とオンライン、様々なデジタル教材のサポートも得ながらオーセンティックな学びを増やし、社会に開かれた教育課程を実現する。先生方も社会で使われている便利なツールはどんどん使い倒して、生まれた余裕を子供たちのために使う。
 そんなチャレンジに向け、全国の指定校や教育委員会の皆様と想いを共有し、課題を受け止めて一つ一つ解決しながら、取組を進めていきたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。

令和5年4月
文部科学省 初等中等教育局 学校デジタル化PTリーダー
(併)初等中等教育局修学支援・教材課 課長 武藤 久慶

事業実施に寄せて

 今、社会は「激動の時代」に突入しています。何が起きるか予測が困難な時代でもあります。安定的な社会で行われてきた学校教育を続けてしまっていては、激動の時代を乗り越える資質・能力を備えることができません。学校教育は大きな転換期を迎えています。
 令和の日本型学校教育を謳った中央教育審議会の答申(令和3年1月)では、「個別最適な学び」と「協働的な学び」というキーワードを掲げ、これらを「一体的に充実」させることを求めています。個々の児童生徒が自分の学びに責任を持ち、自分の意思で工夫して学びに取り組むこと、その学び方は一人一人異なっていてもよいのであり、どんな学び方が「最適」かというのは自分の意思で決めるのだということです。また、他者の学びが可視化され、いつでも他者参照ができるクラウド環境によって、自然と生じる協働性と、協働を踏まえて自分の学びを更新していくといった学びが期待されています。
 このような学習活動をスムーズに実現するために必要なインフラ整備が GIGAスクール構想です。先行き不透明で予測困難な時代に生きていくことになる子供たちを育てる学校教育においては、GIGA端末の活用はデフォルトです。なぜなら、令和の日本型学校教育は、これまでの教師主導の授業展開では実現できないからです。
 GIGA端末を活用した授業の実践は、一部の先進地域で著しく進んでいますが、多くの地域ではまだまだこれからです。GIGA端末が無い頃の方法である一斉授業に最適化された授業展開を新しく捉えなおし、児童生徒が何をどう学ぶのかを考えて教材と必要な見通しを用意し、可視化された個々の児童生徒の学びの過程を把握して個別に支援し、相互啓発が生じるような実践が求められます。単にこれまでの指導技術の一部をGIGA端末に置き換えるだけでは実現できないのです。
 このリーディングDXスクール事業は、GIGA端末という新たな環境における授業改善への挑戦を促進する事業です。今までの授業観に固執せず、個々の児童生徒に力をつけることを大切にするという「不易」の実現のために、児童生徒を主語とした学びの支援の連続となる新しい学習支援を創造していきましょう。

令和5年4月
リーディングDXスクール事業推進委員会 委員長 堀田龍也
東北大学大学院情報科学研究科 教授
東京学芸大学大学院教育学研究科 教授

事業内容

“リーディングDXスクール事業”

 GIGA端末を活用する全国の学校が実践できる事例を創出するために、小中高等学校約200校を指定し、GIGA端末の標準仕様に含まれている汎用的なソフトウェアとクラウド環境を十全に活用した効果的な教育実践を創出・モデル化し、地域や校種を超えて全国展開することで、全国すべての学校でICTの「普段使い」による教育活動を更に推進します。

指定校が実施する具体的な内容

  • 「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体的な充実
    • 「個別最適な学び」と「協働的な学び」を一体的に充実させ、主体的・対話的で深い学びを実現する観点から、令和の時代の文房具としての1人1台端末とクラウド環境を毎日、高い頻度で活用し、日常授業の改善を図る。
    • 教育課程全体を通じた情報活用能力の育成に特に留意し実施する。
  • インターネット上の動画教材の活用、外部専門家によるオンライン授業の実施
  • 端末の日常的な持ち帰りによる家庭学習の充実等
  • 校務の徹底的な効率化や対話的・協働的な職員会議・教員研修
    • 1人1台端末、グループウェア及びクラウド環境を活用した校務の徹底的な効率化や対話的・協働的な職員会議・教員研修の実施等に取り組む。
  • 実践内容を動画・写真、研修のオンライン公開などにより地域内外に普及